弊社も業務が多岐にわたるために、様々な材料を使い加工をしています。また、様々な材料を使用した加工についてもお問い合わせを多く受けます。
自分なりにまとめた様々な材料について下記に掲載いたしました。正直な感じとしては、まだまだそれらを専門に取り扱い業務製造をされている方々には追いつけませんが、これからも色々と勉強をして、様々な加工に取り組んでいきたいと考えております。
鉄について
本当に鉄は産業の米。これがなければ始まりません。
ステンレスも、もともとは鉄に色々な混ぜ物をして作られているのです。弊社はステンレスの取扱が多いですが、鉄の絞りもかなりの量しております。
【写真: 外径 Φ16、長さ 73、t0.7の絞り(公差は±0.3)】
鉄については以下のHPをご覧ください。かなり詳しく紹介されています。
ぶりきについて
JISによると、1.適用範囲の箇所に以下のように規定されています。
この規格は、呼び厚さ0.15mmから0.60mmの低炭素鋼1回圧延のぶりき及びぶりき原板(以下、原板という。)並びに、呼び厚さ0.14mmから0.36mmまでの低炭素鋼2回圧延のぶりき及びぶりき原板について規定する。
<備考>
- 低炭素鋼1回圧延のぶりき及びぶりき原板とは、1回圧延した低炭素鋼にすずメッキ処理を施したぶりきとすずめっき処理を施さない原板をいう。
- 低炭素鋼2回圧延のぶりき及びぶりき原板とは、焼なまし後第二回目の冷間圧延をした低炭素鋼にすずめっき処理を施したぶりき及びすずめっき処理を施さない原板をいう。
- ぶりきには、電気すずめっきを処理した電気めっきぶりきと溶融すずめっき処理をした熱せきめっきぶりきがある。
- ぶりきには、板状のものとコイル状のものがあり、板状のものを板(シート)といい、コイル状のものをコイルという。原板には板状のものとコイル状のものがあり、板状のものを原板シートといい、コイル状のものを原板コイルという。
また、JFRスチール様の商品として、HPに見やすく書いてあります。
アルミニウムについて
まずは、1000番から7000番までの大雑把な特徴を紹介いたします。
- (1)1000番系アルミニウム
- 1000番台の表示は工業用純アルミニウムを示し、1100、1200が代表的で、いずれも99.00%以上の純アルミニウム系材料である。1100は陽極酸化処理(アルマイト)後光沢を良好にするCuが微量添加されている。1050、1070、1085、はそれぞれ純度99.50、99.70、99.85%以上の純アルミニウム材料である事を示す。この系の材料は加工性、耐食性、溶接性などに優れるが、強度が低いので構造材には適さない。しかし、強度を要しない家庭用品、日用品、電気器具に多く用いられる。純アルミニウムに含まれる主な不純物はFe、Siであるが、不純物が少なくなるに従って耐食性が向上し、陽極酸化処理後の表面光沢が改善される。このため、化学、食品、工業品タンク、装飾品、ネームプレート、反射板など使われる。また、Fe、Siの量によってプレス成形性が影響される為、その量、比を合金元素と同じように制御する事も行われる。なお電気伝導性、熱伝導性にも優れる為、1060、1070は送配電用材料、放熱材として多く用いられている。
- (2)2000番系合金アルミニウム
- ジュラルミン、超ジュラルミンの名称で知られる2017.2024が代表的なもので、鋼材に匹敵する強度をもつ。しかし比較的多くの銅を含む為耐食性に劣り、腐食環境にさらされる場合には十分な防食処理を必要とする。航空機用材料として表面に腐食を目的に純アルミニウムを合せ圧延したクラッド材が使用されている。2014は高強度鍛造として広い用途を持っている。溶融溶接性は他のアルミニウム合金に比して劣るため結合には主にリベット、ボルト接合、抵抗スポット溶接が行われる。切削性は良好で、特にPb、Biを添加した2011は優れた快削性合金として機械部品に多く用いられている。
- (3)3000番系合金アルミニウム
- 3003はこの系の代表的合金で、Mnの添加により純アルミニウム加工性、耐食性を低下させることなく、強度を少し増加させたものである。器物、建材、容器などに広い用途を持つ。3003に相当する合金にMgを1%程度添加した3004、3104は、さらに強度を増加させる事が出来るのでカラーアルミ、アルミ缶ボディ、屋根板、ドアパネル材などの材料として需要が多い。
- (4)5000番系合金アルミニウム
- Mg添加量の比較的少ないものは装飾用材や器物用材に、多いものは構造材として使用される。したがって合金の種類が多い。Mg添加量の少ない合金としては装飾用材、高級器物として用いられる5N01、車輌用内装天井板、建材、器物材として用いられる5005が代表的な物である。中程度のMgを含有するものとしては5052が代表的で中程度の強度をもつ材料としてもっとも一般的なものである。5083はMg含有量の多い合金で非熱処理合金としてはもっとも優れた強度をもち、溶接性も良好である。この為、溶接構造材として船舶、車輌、化学プラントなどに使用されている。この系の合金は冷間加工のままでは強さがやや低下し、伸びが増加するという経年変化を示すので安定化処理が行われる。海水や工業地帯の汚染雰囲気に強く、外観を問題にしなければ防食処理を施す必要は比較的少ない。また、5083のようにMgを多く含むのは過度の冷間加工をあたえたまま、高温で使用すると応力腐食割れを生じることがあるので、通常、構造材としては軟質材が使用される。
- (5)6000番系合金アルミニウム
- この系の合金は強度、耐食性とも良好で、代表的な構造用材として挙げられる。ただ、溶接のままでは継手効率が低く、ビス、リベット、ボルト接合による構造組立が行われることが多い。6061-T6は耐力245N/mm2以上でSS400鋼に相当し、設計上、たわみを問題としなければ、同等の許容応力がとれるという利点がある。鉄塔、クレーンなどに用いられる。6063は優れた押出性を備え、建築用サッシを中心に、6061ほど強度を必要としない構造材として使用される。
- (6)7000番系合金アルミニウム
- アルミニウム合金の中でもっとも高い強度を持つAl‐Zn‐Mg‐Cu系合金と、Cuを含まない溶接構造用Al‐Zn‐Mg合金に分類できる。後者はわが国では、いわゆる三元合金として親しまれている。Al‐Zn‐Mg‐Cu系合金の代表的なものは707で、航空機、スポーツ用品類に使用されている。Al-Zn‐Mg合金は比較的高い強さを持ち、溶接後の熱影響部も自然時効により母材に近い強さに回復する為、優れた継手効率が得られる。7N01がその代表的合金で溶接構造用材料として鉄道車輌などに用いられている。なお、この系の合金は熱処理が適切でない場合には応力腐食割れを生ずることがあるので注意する必要がある。このためにJISに示された標準熱処理条件より過時効となる条件で焼きもどしが行われる事もある。
種類 |
化学成分(%) |
JIS呼称 |
Si |
Fe |
Cu |
Mn |
Mg |
Cr |
Zn |
Ti |
|
|
Al |
1050 |
0.25 |
0.4 |
0.05 |
0.05 |
0.05 |
- |
0.05 |
0.03 |
|
|
99.5以上 |
1100 |
1.0 |
1.0 |
0.05〜0.2 |
0.05 |
- |
- |
0.1 |
- |
|
|
99.0以上 |
2014 |
0.5〜1.2 |
0.7 |
3.9〜5.0 |
0.4〜1.2 |
0.2〜0.8 |
0.1 |
0.25 |
- |
Zr+Ti |
0.2 |
残部 |
2017 |
0.2〜0.8 |
0.7 |
3.5〜4.5 |
0.4〜1.0 |
0.4〜0.8 |
0.1 |
0.25 |
- |
Zr+Ti |
0.2 |
残部 |
2024 |
0.5 |
0.5 |
3.8〜4.9 |
0.3〜0.9 |
1.2〜1.8 |
0.1 |
0.25 |
- |
Zr+Ti |
0.2 |
残部 |
3003 |
0.6 |
0.7 |
0.05〜0.2 |
1.0〜1.5 |
- |
- |
0.1 |
- |
|
|
残部 |
3004 |
0.3 |
0.7 |
0.25 |
1.0〜1.5 |
0.8〜1.3 |
- |
0.25 |
- |
|
|
残部 |
5052 |
0.25 |
0.4 |
0.1 |
0.1 |
2.2〜2.8 |
0.15〜0.35 |
0.1 |
- |
|
|
残部 |
5056 |
0.3 |
0.4 |
0.1 |
0.05〜0.2 |
4.5〜5.6 |
0.05〜0.2 |
0.1 |
- |
|
|
残部 |
5083 |
0.4 |
0.4 |
0.1 |
0.4〜1.0 |
4.0〜4.9 |
0.05〜0.25 |
0.25 |
0.15 |
|
|
残部 |
6061 |
0.4〜0.8 |
0.7 |
0.15〜0.4 |
0.15 |
0.8〜1.2 |
0.04〜0.35 |
0.25 |
0.15 |
|
|
残部 |
6063 |
0.2〜0.6 |
0.35 |
0.1 |
0.1 |
0.45〜0.9 |
0.1 |
0.1 |
0.1 |
|
|
残部 |
7050 |
0.12 |
0.15 |
2.0〜2.6 |
0.1 |
1.9〜2.6 |
0.4 |
5.7〜6.7 |
0.06 |
Zr0.08〜0.15 |
残部 |
<アルミニウムの特性>
- 軽い
- 強い
- 耐食性がよい
- 加工性がよい
- 電気をよく通す
- 磁気をおびない
- 熱をよく伝える
- 低温に強い
- 光や熱を反射する
- 毒性がない
- 美しい
- 鋳造しやすい
- 接合しやすい
- 真空特性がよい
- 再生しやすい
■室温における純アルミニウム(99.996%)の性質
(岩波:理化学辞典、丸善:金属データブック・カークオスマー化学大辞典、東京化学同人:化学大辞典、軽金属協会:アルミニウム金属加工学入門より)
リサイクルについては、以下のHPに詳しく紹介されています。
アルスター鋼板について
ZAMは建築部品分野でよく使用されています。アルスター鋼板は様々な機械に取り付けられる部品として使用されています。
弊社は日新製鋼さんのアルスター鋼板をよく使用しています。
シルバーストーンについて
下記のアドレスにアクセスしてください。簡潔にとてもよくまとめられています。
チタンについて
チタン製品は色々な分野で製品化されています。弊社では以前マグカップの製造にたずさわりました。
例:フライパン、マグカップ、フォーク・スプーン(洋食器)、ケトル、マフラー、ペンダント、指輪、等々燕地域の力を合わせれば、プレス、絞り、研磨、挽き物、溶接等、様々な加工方法を組み合わせて提案できます。
[チタンの特性]
特性 |
具体例 |
代表的用途 |
耐食性に優れる |
海水には完全耐食 |
熱交換器、建材 |
軽い |
ステンレスの60%の軽さ |
航空機のエンジン |
高強度 |
重チタンで275-735MPaの引張強さ |
|
弾性に富む |
ステンレスの約50%の縦弾性係数 |
ゴルフクラブヘッド、ばね |
低温靭性に優れる |
純チタン、チタン合金とも極低温まで脆化しない |
液体酸素タンク |
低い熱伝導率 |
アルミの約8%の伝導率で、ステンレスと同等 |
金属溶湯用冶工具 |
昇温しやすい |
ステンレスの約60%の熱容量 |
鍋、フライパン |
熱収縮し難い |
ステンレスの約50%の熱膨張率 |
建材、半導体製造装置 |
高い電気抵抗 |
銅の30倍の電気抵抗で抵抗溶接性に優れる |
屋根材などのシーム溶接 |
磁性が極めて弱い |
透磁率1.00005 |
電子機器(ストッパー等) |
超伝導特性 |
Ti-Nb系合金で発現 |
超伝導発電機、磁気浮上列車 |
生体適合性に優れる |
体内でのイオンの溶出が少ない。毒性が少ない。 |
人工骨、歯根、心臓弁 |
肌にやさしい |
メタルアレルギーに対し優れた抑制効果 |
腕時計、ネックレス |
水素吸蔵特性 |
Ti-Fe系合金で発現 |
水素ガス供給装置 |
放射能半減期が短い |
鉄、ニッケル、クロムよりも半減期が短い |
放射性廃棄物処理・格納容器 |
不燃性 |
不燃材料として認定(認定番号 NM-8596) |
建材 |
高級イメージ |
高級カメラやパソコンなどの筐体に使用 |
高級カメラ・パソコンの筐体 |
意匠性に富む |
陽極酸化処理により発色できる |
モニュメント |
<チタンと各種材料の物質的性質>
別ページ表参照(新しいウィンドウが開きます)>>チタンと各種材料の物質的性質 表
<チタンの種類>
分類 |
代表例 |
特長 |
代表用途 |
名称 |
引張強度
(代表値)MPa |
純チタン |
JIS |
1種 |
320 |
耐食性と加工性に優れる |
|
2種 |
415 |
3種 |
545 |
4種 |
650 |
チタン合金 |
耐食合金
(重チタンに極微量の白金族元素等を添加したもの) |
Ti-0.15Pd |
純チタンと同等 |
純チタン以上の耐食性 |
|
a型 |
Ti-5Al-2.5Sn |
860 |
耐熱性、低温特性に優れる |
|
a−β型 |
Ti-6Al-4V |
960 |
高強度、高延性 |
|
1170
(STA*3) |
β型 |
Ti-15V-3Cr-3Sn-3Al |
830
(ST*2) |
冷間加工が可能 |
低ヤング率 |
|
1400
(STA*3) |
超高強度が得られる |
引張強度:ことわり無きものは焼鈍状態の値です
- *1 ELI:Wxtra low interstitial
- *2 ST:Solution treatment(溶体化処理)
- *3 STA:Solution treatment & aging(溶体化時効処理)
チタンについては、各社材料メーカー様により詳しく紹介されています。
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