〒959-1313 新潟県加茂市幸町1丁目14番17号
TEL:0256(52)2085/FAX:0256(52)2398
E-mail kamomed@ssquare.co.jp
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
05.脳卒中を防ぐために脳血管障害である脳卒中は、日本人の死亡原因の第3位。一命を取りとめても、麻痺などにより寝たきりになってしまうことも。脳卒中を予防することはできないのでしょうか? <脳卒中とは>脳卒中は、脳の血管が詰まったり、破れたりしたため、その先の細胞に栄養や酸素が届かなくなり、細胞が死んでしまう病気です。急に意識を失い倒れる、阪神の麻痺が起こる、ろれつが回らなくなる、といった発作が起こります。脳卒中を発症すると、多くの場合、身体能力が極端に低下してしまいます。寝たきりの原因で最も多いのが、この脳卒中です。 脳卒中は脳梗塞・脳出血・くも膜化出血の3つに大別されます。 ●脳梗塞脳卒中死亡の60%以上を占めるのが「脳梗塞」。脳の血管が詰まるタイプで、①脳の太い血管にコレステロールの固まりができ、そこに血小板が集まり動脈をふさぐアテローム血栓性梗塞、②脳の細い血管に動脈硬化が起こり、詰まるラクナ梗塞、③心臓にできた血栓が流れてきて血管をふさぐ心原性脳塞栓症などがあります。 また、脳梗塞の前触れ症状といわれる一過性脳虚血発作(TIA)は、一時的に、ろれつが回らない、半身の麻痺といった症状が起こります。しかし、一過性脳虚血発作では再び血液が流れると症状がなくなり、24時間以内に回復します。 ●脳出血脳の中の細い血管が破れて脳内出血し、神経細胞が死んでしまうタイプで、脳卒中死亡の約25%を占めます。高血圧や加齢により弱くなった脳の血管が破れて発症することが多くみられます。日中、活動しているときに、頭痛やめまい、半身麻痺、意識障害などが起こります。 ●くも膜下出血脳は内側から軟膜、くも膜、硬膜という3層の膜におおわれています。 くも膜下出血は、くも膜と軟膜の間の動脈瘤が破れ、あふれた血液により脳全体が圧迫される病気です。脳卒中死亡の10%強を占めます。突然の激しい頭痛、嘔吐、けいれんなどが特徴で、意識がなくなって急死することもあります。 <脳卒中の治療>脳卒中と思われる症状で倒れた場合、とにかく救命が第一です。患者の衣服をゆるめて、大至急、救急車をよびます(図1参照)。発作が起きたら一刻も早く(3時間以内)治療を開始することが大事だからです。 病院に着くと、救急治療と同時に検査を行ない、本当に脳卒中かどうか、さらに原因は何かを調べ、治療の方針を決めます。病歴や臨床症状などから診断がなされますが、脳病変の診断にはCT、MRIといった画像診断法が、とくに効力を発揮します。 くも膜下出血と脳出血の一部は、外科的な緊急手術が必要とされますが、手術の必要がないと診断されれば、内科的な治療で様子をみることになります。血栓を溶かしたり、血小板が固まらないようにしたり、血液を固まりにくくする薬が使われます。そのほか急性期(発症直後から2~4週間)では、体内の水分や電解質の管理、呼吸・血圧管理、栄養補給や肺炎などの感染症対策といった全身の集中管理が、予後に大きな影響を与えます。 <リハビリと再発防止>脳卒中のリハビリテーションは、発症からの時期により「急性期」「回復期」「維持期」の3段階に分けられます(図2参照)。 入院中、ずっと同じ姿勢で寝ていると、関節が固まったり、筋肉が弱ったりしてしまいますから、入院直後からリハビリが開始されます。点滴や酸素吸入をしながらでも「関節可動域訓練」で関節が硬くなるのを防いだり、医師の判断により、座る訓練を行なうこともあります。 さらに回復してきたら、入院中から、自力で座る、歩くなどの、できる限りもとの生活に近づけるための訓練が行なわれます。もちろんこれらは、退院してからも続けられます。 リハビリは医師や看護師、理学療法士など、多くの人たちの助力を得て行なわれますが、サポートする家族の協力も不可欠です。そしてもっとも大切なことは、病気を克服しようという本人の気持ちであることはいうまでもありません。 また、とくに脳梗塞は再発率が高いので、急性期の治療後は、再発防止を心がける必要があります。抗凝固薬で血栓をつくらないようにしたり、危険因子のコントロールに努め、定期検査により再発の兆候がないかを調べるようにします。 <予防できる脳卒中>脳卒中は突然襲われる病気のように感じますが、実は生活習慣病といえます。普段から危険因子を取り除くよう生活改善に努めましょう。 脳卒中の予防で最も大切なことは、高血圧を防ぐことです。そのためには、塩分の摂り過ぎに注意します。また野菜や果物に多く含まれるカリウムには、塩分を身体の外へだす働きがあります。海草や豆類に多く含まれるマグネシウム、乳製品に多く含まれるカルシウムやたんぱく質も、脳卒中予防に効果があるといわれます。また、入浴はぬるめの湯で、冬場は浴室だけでなく脱衣所も暖めておくようにします。 高血圧以外の病気・症状としては、「高脂血症」「糖尿病」「心臓病(とくに心房細動)」などの人は、脳卒中になりやすいというデータがあります。健康診断などでこれらを指摘されたら、ぜひ、早めにかかりつけ医に相談して下さい。 また生活習慣の面では、「大量飲酒」「喫煙」「運動不足」「肥満」などが危険因子です。 普段から健康状態や生活習慣をこまめにチェックし、脳卒中の危険から自分自身を守りましょう。 <脳卒中チェック> 当てはまる項目をチェック!!
04.生活習慣病とメタボリックシンドローム>> | 05.脳卒中を防ぐために | 06.糖尿病ってどんな病気?>> |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Coryright (C) Kamo Medical Association.All right reserved. |