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06.糖尿病ってどんな病気?

 今、日本人の間で急増する糖尿病。患者数740万人、その予備軍を加えると全国で1,620万人にのぼるといいます。この病気の怖いところは、自覚症状がほとんどなく、知らない間に進行してしまっているケースが多数あることです。それでは糖尿病はどのようにして起こってくるのでしょうか?糖尿病は、食べ過ぎ、肥満、運動不足、お酒の飲み過ぎ、ストレスなどからくる生活習慣病の一種であり、また、発病には遺伝的素因も深く関係しているため、ご両親やご兄弟などに糖尿病のいる方では特に注意が必要です。次に、実際の糖尿病のメカニズムを簡単に説明いたします。私たちは、食べ物を消化・吸収することで、生命を維持し活動するためのエネルギーを得ています。食物は、消化・吸収されブドウ糖となって肝臓へ送られます。そのうちの一部は脳や筋肉で利用され、残りのブドウ糖は肝臓内にグリコーゲンとして蓄えられます(さらに余った分は脂肪になります)。この際、血液中のブドウ糖を細胞内へ取り込んでエネルギーとして利用するのを助ける働きをしているのが、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンです。このインスリンの作用不足が起こると血液中のブドウ糖が細胞内に入ることができず、血糖値が高くなり、この状態が維持するのが糖尿病です。インスリンの作用不足には、膵臓のインスリンを作り出す能力が低下してしまうことと、インスリンに対する細胞の感受性が悪くなることの二つの原因があります。

 糖尿病による高血糖状態は、きちんとした医師の指導を受け治療を守れば、確実によくすることができます。しかし、インスリンの作用が不足している状態は、長年の生活習慣の結果として起きたものですから、多くの場合なかなか元に戻すことはできません。つまり、治療によって一時的に血糖値が下がったとしても、治療を続け生活習慣を正していなければ、血糖値はすぐまた高くなってしまうということです。そのため糖尿病は、一生油断は許されないという意味で、「治る」とか「治らない」といった表現をあまり用いずに、「しっかり治療をしていれば、一生治ったと同じ状態を保つことができる病気」と表現することが多いようです。また、糖尿病の症状も前述したようにあまりあてにはなりません。糖尿病の症状は気付きにくく、多少血糖値が高いくらいでは全く症状のない人がほとんどです。しかし、その程度の高血糖でも動脈硬化の進行による合併症(脳血管障害、虚血性心疾患、腎障害、網膜症など)は着実に発症・進行していきます。「症状がないから大丈夫」なのではなく、症状があれば血糖値はかなり高くなっているということです。高血糖がひどくなると初めて、のどが渇く、お小水が多い、トイレが近くなる、体がかゆい、できものができやすい、傷が治りにくい、足がつる、だるい、疲れやすい、物覚えが悪い、集中しない、眠い、お腹がすく、食べてもやせる、といった症状が現れてきます。このように、糖尿病とは、おつきあいをしていかなければならない病気であり、じっくりと腰を落ち着けて治療をしていかなければならない病気なのです。

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