第一回 術後間もない方の勉強会
2004年2月8日
信濃川会館
PM:13時からPM3時30分
講師の先生
県立がんセンタ-新潟病院 | 梨本 篤 外科部長 |
〃 | 藪崎 裕 外科部長 |
〃 | 小林 一美 栄養課長 |
下の表は私が勝手に アンケート集計表を見て作成したものである
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受付を済ませてアンケートの集計表のトップページにある表を見て愕然としてしまった。 なんなんだ!!この数字は嘘だろう 後遺症がない人が13名もいるではないか。こんな事があるのか。 胃を切った人は必ず大なり小なりの後遺症が起こるもんだと思っていた俺とミノは「ばかの壁」だったのか。 たがが32名されど32名である。 この会のアンケート結果だけですべて結論づける事は無理のように思えなくもなくはないが、もしかすると俺はいままで大きな勘違いをしていたのかもしれない。即ち日本では約4割の人は後遺症がない??? また、なんらかの後遺症や不安がある方が19名おり32名の平均で少なくても一人3件の質問や悩みなどを抱えていることになるのかなどと考えているうちに開会の時間になった。 ◆ 後遺症の症状ならびに質問 1便秘、下痢について 議題に入りまずは、後遺症の1、2番はやはり便秘と下痢に関する悩みがトップであった。なぜ、皆さん便秘が怖いかというと俺とミノもそうだったが便秘からくる腸閉塞が怖く、少しでも便秘になると今でも不安になる。 下痢に関しては全嫡の人に多くこれも時間が解決してくれるとの事。 先生は便秘も下痢も術後一年ぐらいを目安に考えおりあまり神経質になる事はないと言う事。そして排便の習慣を身につける。(大腸がんの人は排便がなくても毎日トイレにいくように習慣づけている)。適度な運動をする。 そして腸閉塞を起こしやすい食べ物として柿、昆布、いか、たこなどがあると言うこと。また、がんセンターでは食べすぎなどでお盆と正月に腸閉塞の患者さんが多くなる。 2、胸焼け、逆流について 先生より、現在逆流の症状で苦しんでいる人は挙手してほしいと言われたので手を上げたらなんと俺も含めて4名しかおらずちょっと調子抜けしてしまった。しかし、逆流の苦しみは、なった人でないと解らない苦しみがある。 そんななか、対処法で、お二人の方が話された。 まずは男性のSさん。 私と同じく噴門側を切除し「空腸嚢間置再建術」を受けた方の症状と対処法では逆流は必ず夜中の2時頃に訪れる。 そして、逆流が、気管に入って咳は出るわ、苦しいわ、、喉は焼きゴテを押し付けられたように激しく痛むとの事で俺と同じ症状であった。 対処ほうがまたいい。発生したらまず、ウイスキーを流し込みそして胃腸薬の○○を飲んで落ち着かせまた、眠る 次にご年配の女性の方の対処法は てんぷらや揚げ物は大衆食堂の物は必ず逆流が発生するので絶対に食さない。その代わりに高級割烹店の揚げ物やてんぷらを食べても逆流が発生しないらしい。また、カレーライスもいろんなメーカーを試食しその中であるメーカーのルーだけを使用しているとの事。 先生から医学的には眠るとき、体の右側を下にするといいらしい。 3、歯、骨の弱りについて カルシュウムなどを食品で摂取するには量的に多くたべなけらばならないのでサプリメントを有効に使用してもいいのではないか。 4、おなら これも日にち薬であり特効薬はないらしい 5、ダンピングについて 質問された方で自分の症状がダンピングとは知らない人がいてすこし驚いてしまった。そして究極の質問が先生に投げかけられた。 その質問とは年配の男性で 「先生、術後食事のたびに必ず眠くなって困っています。眠くならない方法はないのでしょうか」との質問に対し 先生は「普通の人でも食後眠くなる。原因は頭にあった血液が食事をすると胃や腸に血液があつまるのでねむくなります。そんな訳で 胃切除者も同じく眠くなる」と返答していたがどうも歯切れが悪くすっきりしない。 この質問を聞きながら質問された方に対しては不謹慎ではあるが今不眠症で悩んでいる人が多くいるご時勢で睡眠薬まで一般の薬局で販売され始ており、あなた恵まれいる。大いに眠ってくださいと言いたい心境になったのは俺とミノだけではないと思うが。 6、体重、体力について このアンケート質問で案外多かったのが体重が増えない相談や悩みが多かった。これも個人差や年齢差がありこうすればかならず増加というおいしい話はでなかった。一般的には全嫡の人や肥満だった人は元には戻らない人が多いなど。 俺とミノも術前までは戻らなくてもいいがせめてあと2〜3キロほど体重がほしいと思っている。 ところで、この件で質問された方で超人的な方がいました。 その方は今現在90歳になり2年半前に全嫡手術を受けたが術後はまったく後遺症がなく今日に至っている。そして体力も、術前とほとんど変わらない体力を維持しており今でも自転車に乗って出かけるらしい。 この方の話を聞いてやっぱりいるんだ後遺症の全くない人がと改めて関心するやら羨ましくなるやら。 さて、その方は術前は62キロあった体重が今は49キロしかなくもっと太りたいとの相談であった。先生はもし術前の体重になったらまず、足に負担がきて自転車が乗れなくなるかも知れない。また心臓や消化器官などにも負担がかかるので今の体重があなたのベスト体重であり今のライフスタイルを継続したほうがいいと言われた。それにしても、とても90歳には見えず元気である。 ,先生からちょっと面白い話が聞けた。 一般的に肥満の人の胃袋は小さくて性能がいいとの事。その性能のいい胃袋を取ってしまうとそのギャップが大き過ぎるために術後の体重の落ち込みが激しく術前の体重に戻りづらい。反対に痩せている人の胃袋は大きい割りに性能が良くないので術後もそんなに体重の落ち込みが少なく術前の体重に戻りやすいとの事。 また、アンケート集計のなかに67才の女性からで術後の登山はどの程度やったらいいのでしょうか。との問いに対して先生は大いに自分の体力と相談したやってください。と登山を奨励していた。 7、検査等について 幾つかの質問内容があったがそのなかで血液検査でやる腫瘍マーカーについての話でほとんどの病院は2種類のマーカーしか検査しないが、がんセンターでは4種類の検査を行っている。 ◆ 食事や栄養に関する質問 全部で23の質問が記されてあり後遺症とも密接な関係がある事柄が多くあらためて書かないが食欲があり食べ過ぎてしまうと書かれた方が3名もいた。 ◆ その他、不安な事 やはりがんになった方が一番不安に思っている事は再発と転移である 再発した場合において今の医学では完治は難しいらしい。 また、再発は、腹膜播種が一番多い。 転移は血液によって起こるものでありまず、肝臓、肺、骨、頭と転移していくらしい 100の質問にすべて回答していただきたかったが2時間半という決められた時間内ではとても無理な状態になってしまい、後半はすこし流してしまった。これもいたしかたがない事でありそれよりも驚いてしまった事は、今の世のなかこれだけITやマスコミでは健康、病気などの情報が氾濫し過ぎているにもかかわらずたった19名から100もの質問(俺の勝手な解釈である)が寄せられた事自体が問題であるように思えてならない。 また、自分もそうであったようにあまりにも情報が多すぎてどれを選択すればいいのか逆に不安になってしまっている患者さんの素顔がみえてしまった感と案外、年配のみなさんは情報が逆に入ってこないのかな、などと思ったりもした。 今の病院では1時間待ちの5分診察が現状で自分もそうであるが先生にあまりいろいろ質問する事は控えめになってしまう。 日本のある病院では患者の持ち時間30分くらいもてるシステムをとっているところも出てきているらしいがこれも一つの選択肢ではないのか。 最後に休日にもかかわらず研修会に参加していただいた先生方にとこの会を計画実施していただいた幹事さんに拍手をもって感謝とお礼を表し勉強会を終了しました。 この術後3年以内の研修会は今回が始めての試みであったが参加させていただき、自分と同じ悩みなどを抱えている人との話も出来たりみなさんの悩み、不安などを知って安心したりで、とても有意義な勉強会であった。 昨年の胃・友の会だよりで会員数の減少や総会の参加者の減少などの問題が載っていたがはたして数だけ追っていいものなのか今回の勉強会がひとつのヒントをあたえているような気がしてならない。 たしかに、ゴルフ、研修旅行などは楽しいことではあるが術後まだ浅い人にとってはそれどころではないと思うし、自分も今ようやく2年めであり、まだ安心できない期間でもある。もっとこのような術後も浅い人を対象にした研修会を開いてもいいと思う。まもなく10年を迎える胃・友の会であり今一度原点 に戻ってみるのもいいんではないのかな。 そして、こんなにすばらし患者の会が新潟県にあるのだから新潟からもっと日本、日本から世界に逆に情報を発信してもいいような気もするが。もし、自分に出来る事があれば少なからず協力していきたいと思う。 尚、ここに記した内容は走り書きでメモした事であり医学的に違っていたりする場合が多々あるかもしれため専門的な事は先生に確認してください。
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