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07.うつ病日常生活から充実感が失われ、たいへんつらい気持ちを抱えてしまう「うつ病」。けれども、きちんと休養をとり、根気よく薬の服用を続ければ、必ず治すことができます。 うつ病はどんな病気? うつ病は、長期にわたって深く落ち込んだ状態が続く病気で、「憂うつ感」が症状として現れてます。とはいえ、誰でも落ち込んだり憂うつな気分になることはあるものです。しかし、うつ病では、それが日常生活に支障がでるほど強く、長く続くのが象徴です。その他にも、次のような症状が現れますが、とくに憂うつ感と意欲の減退はうつ病の中心的な症状です。また、これらの症状は朝に強く現われ、夜になると和らいでいくことが特徴です。 ◆精神症状◆
◆身体症状◆
うつ病のきっかけ うつ病の発症には、性格的な要因と環境の要因が関係しています。下記のような性格の人は、うつ病にかかりやすい傾向があります。また、環境変化により強いストレスを受けると、うつ病を発症しやすくなります。
うつ病の治療 治療の基本は休養です。患者さんは、ストレスや過労で心身の状態が限界に達しているにもかかわらず、無理をしてがんばったために、うつ病になってしまったのです。ですから、ゆっくり休養をとることがとても重要なのです。 医療機関での治療の基本は、薬物療法になります。うつ病になると、脳の神経機能が異状をきたすようになるため、抗うつ薬を用いて、脳内の神経伝達物質の量を保つようにします。そのほか、抗不安薬や睡眠薬が用いられることもあります。 抗うつ薬の服用は長期にわたって続ける必要があります。症状がよくなったからといって自己判断で薬を中断すると、病気が悪化してしまいますので、必ず医師の指示を守るようにしましょう。 そのほか、精神療法が併用され、認知行動療法が有用なことが、実証されています。 うつ病の治療 周囲の人は、まずうつ病について正しい知識を得ることが大事です。うつ病の患者さんは、「身体の疾患がないのに何もしないでいるのは、怠けや気のもちようが悪いからだ」といった、誤解を受けることがあります。また、患者さん自信が何もできない自分を責めてしまうこともあります。しかし、憂うつ感や倦怠感、意欲の減退はうつ病の「症状」です。その状態は病気のためだということを理解して下さい。患者さんに対して、周囲の人はいつも通りに接するようにします。過度な鑑賞はよくありませんが、例えば家事を助けるなど、援助できることはしてみましょう。また、患者さんの話にゆっくり耳を傾けることも大切です。 うつ病にかかっている人に対して、励ましは厳禁です。患者さんはがんばりたくてもがんばれない状態で苦しんでおり、焦りを感じているのです。励ましはかえって患者さんを追いつめることになります。むしろ、ゆっくりと休養をとれるようにサポートすることが大切です。 また、うつ病の患者さんはしばしば自殺を考えることがあるため、周囲の人は注意しなければなりません。兆候としては、睡眠障害が強くなる、口数が極端に減る、自殺をほのめかすなどがみられます。また、重症期よりも、回復期に自殺の危険性が高くなります。何らかのサインがみられたときに最も大切なことは、話題をそらさず、患者さんの話にじっくり耳を傾けることです。そして医師に相談するなどして、解決方法を考えていきましょう。 治療は長期にわたって続く場合がほとんどです。症状はよくなったり悪くなったりを繰り返しますが、うつ病は必ず治る病気です。焦らず、ゆっくりと治療に取り組んでいきましょう。
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