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若旦那の独り言(サイト管理者)
NO.2(2003.6.30)
 「タイタニック」
の監督のこと
 今回は、私の趣味の映画の話をします。隣が映画館(三条東映ムービル)だったお陰で、映画は大好きです。ジャンルは問わず、日本映画、外国映画、何でも見ました。
 一昨日、ジェームズ・キャメロン監督の「タイタニック」をTVで放映していました。98年のアカデミー賞の作品賞、監督賞など総なめにした映画で、ご覧になった方も多いかと思います。私も大好きな映画です。この映画は、簡単に言うと、「それまで流されるままの人生を送ってきた若い未婚の女性が、ある男性と運命的な出会いをして、一夜を共にします。その男性は死んでしまうが、その男性との思い出を大切にして、それ以前と打って変わって、人生を主体的に生きた女性の話」と言えます。
 この話って、どこかで聞いたことがありませんか?映画好きな方はご存知だと思いますが、同じジェームズ・キャメロン監督作品で、彼を一躍有名にした84年制作の「ターミネーター」も、同じモチーフの映画でした。アーノルド・シュワルツネッガー主演ですが、内容的には、リンダ・ハミルトンが演じた女性が主役の映画でした。未来では、コンピュータと人間が戦争をしていて、コンピュータ側は人間側の指導者を消すために、過去(現代)へ行って、指導者の母親を指導者を産む前に抹殺すればいいと考え、現代にターミネーター(シュワルツネッガー)を送り込みます。人間側もターミネーターを追って、ひとりの男性(マイケル・ビーン)が現代に来ます。日々に流されて生きていた平凡な若い女性(リンダ・ハミルトン)は、ターミネーターに訳も分からず狙われますが、彼女を保護しようとする未来から来た男性と知り合い一緒に逃げるうちに、いつしか引かれ合い、一夜を共にします。結局それで彼女は未来の指導者を身ごもるわけです。彼は死に、ひとりターミネーターと戦い彼女は勝ち、来たるコンピュータとの戦いに備えて今までのとまったく別の人生を歩むことになるのです。人類の存亡を賭けて‥。
 SFとしても、アクション映画としても、また、恋愛映画としても、とてもよくできた映画でした。ストレートに楽しめて、見た後になにか切なさが残る映画で、私は、「タイタニック」より好きな映画です。
 同じような話をまた「タイタニック」でやるとは、芸がないように一見思えますが、むしろ「タイタニック」を見て感じたのは、同じモチーフでありながら、大胆に史実とからめて、より豪華に、よりリアルに、より洗練させていったキャメロン監督の創作姿勢に、映画作家としての凄さと誠実さを感じました。超大作でありながら、作家として内から湧き出るものを素直に描き、それでいて万人に受ける普遍性を獲得しえていることに、私は驚嘆します。ひとりの人間として、その作家エネルギーをうらやましく思います。

 余談ですが、ラストで海に投げ出されたシーンで、海に浮かんで吐く白い息は、CGだそうです。実際は温水プールで暖かくて、吐く息は全然白くなかったそうです。
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