3年生の算数学習の大きな山場に、「わり算」があります。今日は、そのワンランク上の「あまりのあるわり算」です。
学習課題(◎)は、「4でわるわり算のきまりは?」です。「きまり」とは、同じ傾向・特徴が見られるもの(回帰)ですが、子供にとっては難しい考え方です(つまり…まとめる見方だからです)。
そこで、担任は、黒板に次のように整理しながら、子供と一緒に確かめていきます。
(わられる数)÷ 4 = 商 あまり
12 ÷ 4 = 3 あまり 0
11 ÷ 4 = 2 あまり 3
10 ÷ 4 = 2 あまり 2
9 ÷ 4 = 2 あまり 1
8 ÷ 4 = 2 あまり 0
ここまできて、子供たちは、上の計算(たとえば…一つ一つの計算)から、きまりをみつけようとします。
「3,2,1,0」「(3,2,1,0と)同じ数が出てくる」など、あまりの規則性に気付き始めるのですが、学習課題の「4でわる」と関係づけては考えていません。
子供の生活言葉「あまり」と算数言葉「あまり」の意味は違う
「あまり」という言葉は、子供にとって身近な言葉です。例えば、給食を配った後の「あまり」があります。でも、この生活言葉「あまり」は幅が広いです。パンが10個あったとして、10人で分けるけど、食べきれない人が居るので、3個あまる場合もあります(どれくらいあまりがあるかは不確定!)。
でも、算数言葉「あまり」は、限界までわけて、もうこれ以上わけきれない残りが「あまり」です。今日の算数は、こっちの「あまり」について学習していました。大人は両者の意味を分けて考えることができるから、子供も分かっていると思うのは安易です。子供は意外とごちゃまぜに理解しています。
算数言葉で考える活動を意識付ける
日常言葉「あまり」で考えている子供は、「あまりがたくさんだとうれしいね。だから、もっとたくさんあまりがあるといいね」と訊くと、にっこりします。
でも、算数言葉「あまり」を意識している子供に、同様の訊き方をすると、「でも、4で分けて、(あまりが)もっとわけられたら、まだわけるよ」と返ってきます。(限界までわかけて残ったもの)という意識が強いです。だから、この段階で、「あっ。4でわると、あまりは、4より小さい(数)になる」という、今日の学習課題(◎)の答えに到達してきます。
決まりを探したがる
今年の4月に行われた全国学力状況調査・意識調査の算数の問題では、この「きまり」を見付ける力を問うものがありました。今日の「4でわると、あまりは4より小さい数になる」なら、「では、5でわったら…と数をどんどん変えたときの予測(回帰)ができる力」を求めていると思います。この力は、AI(人工知能 Artificial Intelligence)のもつ力です。須田小は、SI(組織的知性 Structural Intelligence)を大切にします。様々な考え(生活言葉も算数言葉も受け止めつつ、整理して算数言葉で考え直してみる)をまとめ生かす授業づくりを目指しています。