第48回の新潟県課題図書が発表されました。その内、「みずとは なんじゃ?」「二年二組のたからばこ」「凸凹あいうえおの手紙」の3冊を読んでみました。小学生用の本ですので、文字も大きくページ数も100ページ前後です。が、時々心に刺さる場面に出くわします。
「みずとは なんじゃ?」は低学年向きの絵本ですが、書かれている内容は、小学校4年生以上の理科学習や環境教育にもつながる深い話でした。蛇口をひねれば、当たり前に出てくる水のことを、人の身体(内側)と地球全体(外側)に渡って話をしてくれます。水は約40億年前に地球上に誕生してきたそうですが、まるで、水自身で自らを語っているようです。
「二年二組のたからばこ」も低学年向きの本ですが、ものの見方・感じ方・考え方をぐーんと広げてくれるお話です。「落とし物箱」を「たからばこ」と名付けた担任の先生に脱帽です。「落とし物」と言うのと「たから」では、後者は「人の心と心をつなぐ意味合い」を強く感じさせてくれます。この「たからばこ」を通して、子どもたちが大きく成長するお話でです。「落とし物をすることは物を大事にしないこと」と単純に切り捨てる単純は「対立」の考え方を見直すことになります。
「凸凹あいうえおの手紙」は高学年向きの本です。ページをめくるごとに、題名にある「凸凹」の別の意味に築かされました。読んでいる内に、人間版「ごんぎつね」のような印象を受けました。いたずらぎつねのごんの気持ちは最後の最後で、もう一人の登場人物の兵十に伝わりました。でも、ハッピーエンドではないのですが。「ごん」の場合は、自分の気持ちを必死に「伝える」努力をしていたが、なかなか「伝わらない」悲劇で終わります。しかし、このお話は、「伝わる」のです。なぜ? 読んでみてください。
課題図書はまだあります。ぜひ、休み明けに読んでみて欲しいと思います。そして、感じたことを、自分の体験や言葉で置き換えてみてほしいと思います。新しい発見があると思います。
「凸凹あいうえおの手紙」の中にある言葉ですが、「見ているのに見えていない」ことが多いことに気付かさせてくれること、それが読書です。