先週から再来週までの期間で全ての学級で、人権について学び合う道徳授業を行います。
■全員の人権をたし算しても、社会全体の幸せにならない。
人に言って価値観(考え方)は様々です。それぞれの考えをたし算しても、答えの中には”違い”は残ったままです。1時間の授業で例えれば、子供がそれぞれの考えを発表して終わることと同じで、一人一人の考えは、前と同じままということになります。
■自由と秩序のバランス感覚を学ぶのは、道徳学習だけではない。
自由とは、それぞれの個性に合わせ、「ありのまま」に生きることです。度が過ぎれば、「わがまま」となり、「いじめ」にもつながります。一方、秩序とは「ルールの重視」です。これも同様に、「不自由」な社会になります。ですから、対話のスキルと、相手の考えを受け止め(否定しないこと)がもとに、自分も相手も納得する考えに近づける”バランス感覚”が必要になります。
このことは、道徳だけでなく、国語や算数、音楽、図画工作など、様々な学習を通して学ぶことを大切にしています。以前(「メンテナンス」の3学期)、ご説明した「授業づくりのピラミッド」のイメージで言えば、つぎのようになります。
自分や全体の考えを深めるとは
①他の人の理由を「付け足す」
※理解できない理由は質問する(訊く)
②自分や他の人の理由のもとにある具体的な例を「付け足す」
※理解できない例は、どうして理由につながるか質問する(訊く)
お互いに納得できる「理由」と「例」を「積み上げ」て行くことです。結果として、「納得解」に近づけていく。
十人十色の人の考えを整理するスキルについて、学校ではあまり意識して教えてきませんでした。「ありのまま」をよしとしてきました。しかし、最終的に収拾ができすに、だれかの考えを与える「不自由」で終わってきたことも現実です。
ですから、今年度は、人権教育を、1時間の道徳の時間から実質的に開放するため、グランドデザインでも、従来からの「知徳体」の3つに分けて指導するのではく、「知徳」を「対話」にまとめた指導をしています。
各学年の人権教育の授業については、今後お伝えしていきます。