4年生の算数には、いろいろな図形(特殊な四角形:正方形~やや特殊な形:台形)がでてきます。子供たちは、図形を見て、「これは○○だ」とか「これは、○○でもあり▲▲でもあるな」とか、頭の中で「分類」作業を行います。その「分類」という「仲間分け」作業をする際の基になるのが、「図形の定義」です。
「これも台形?」~「子供の概念崩し」を通して、多様な考えを引き出し、より深い考えにたどり着く
今日学習していた「台形の定義」は、「向かい合う1組の辺が平行な四角形」です。言葉は抽象的です。そこで、よく目にする基本となる「台形」(※写真A)を示し、三角定規を使って調べます。
ここで安定した子供の思考をゆさぶる「概念崩し」の「台形」(※写真B)を示すと、子供たちの中には、「台形ではない」「どうかな」「台形だ」に分かれていきます。前者2人の「台形?」の根底にある「考え方の土台」は、「(Aのように)床に置いてもしっかり台のように立つ」という「がっちり固まった考え」がインプットされています。これは、どの子、どの人(大人)にもあるものです。「見慣れているものとちょっとでも違うものに違和感を感じるのは通常あること」です。
子供が本気になって学習するための授業改善のテーマ
~「多様な考え(拡散させるしかけけ)」と「より深い学び(収束させるしかけ)」
来年度完全実施の新学習指導要領のキーワード「主体的で対話的」「より深い学び」には、まず、子供たちから「多様な考えを引き出すしかけ」が大切です。今日の4年生のしかけは「概念崩し」をうまく使っているなぁと思いました。子供たちが「え、台形って?何?」と迷った際の教師の言葉として、上に挙げた「台形の定義って何だっけ?」と振り返らせる(拡散した考えを収束させる)しかけは、子供の「台形」に対する見方を広げたと思います。