人権教育、同和教育授業の実践が始まりました

人権教育、同和教育の目的はすべての人々の人権を尊重

学校教育で求められる、人権教育、同和教育の目的は、「すべての人々の人権を尊重し、互いの大切 さを認め合う態度や行動力を身に付けさせる」(新潟県人権教育基本方針実践のための「教職員研修の手引き」新潟県教育委員会 2014)ことにあります。
しかし、いじめはなくなりません。それどころか、「いじめる子といじめられる子は固定していない。入れ替わることが多く見られる」(文部科学省
国立教育政策研究所「いじめ追跡調査2013ー2015」)という調査結果もあります。

須田小学校の日常指導の基本方針は「思い」と「行為」を分けて指導すること

須田小学校では、子供同士のトラブルが生じた場合、「思い(感情)と行為(いじめの言動)」を分けて指導しています。(「須田小アンテナ」参照)このことを混同すると、「言い合い(相手が悪い)」→「(お互いに)謝りなさい」で終わってしまい、子供は何も学ばないからです。

「いじめ」は許される行為ではありません。しかし、「いじめる側といじめられる側」が入れ替わることを考えると、もう一段高い視点に立っての指導が必要です。「須田小アンテナ」に戻れば、「行為(いじめの言動)」は厳しく指導する。ただし、主語は「あなた」ではなく、「あなたの行った~」にすることを意識することにしています。前者は、人格そのものを否定してしまうことにつながるからです。「いじめをした人」の「人権否定」は、「逆人権侵害」になります。だから、県の人権教育、同和教育の目的に「すべての人々の人権を尊重」という文言が入っています。

須田小の人権教育、同和教育の授業も、「すべての人々の人権を尊重

今週から、全学級で人権教育、同和教育の道徳授業が始まりました。初日は3年生でした。資料「もやもや書き」を使い、友達が気にしていることへの思いやりについて学ぶものでした。主人公の女の子は、小さい頃の病気のせいで、鼻水が止まりません。そのことを知らない男の子たちから、心ない言葉を掛けられ「もやもや」します。そのことを解決するために、学級会で話し合うことなります。結論から言えば、事実を知った男の子たちは言わなくなる、というものです。

3年生の子供たちが考えたことは、悪口を言っていた男の子たちに、女の子が「どんなことを言ったのだろうか?」でした。

子どもたちの考えは、概ね4つに分類できました。

A(悪口を言った男の子たちへ注意)もう言わないでね。

B (自分の病気のことを説明した女の子への感謝)私のことを言ってくれたありがとうね。

C (よしおに対しての承認)反省したなら、もういいよ。

D(悪口を言う男の子たちへの理解と注意)私の鼻の病気のことを知らなかったから言った思うよ。だから、もう言わないでね。

それぞれ間違いではありません。しかし、人権教育、同和教育をする上で、他視点(様々な立場)で考えることが大切です。

さて、どのように言ったら、「みんなのもやもやした気持ちが晴れるでしょうか」(子どもたちの考えをまとめ生かすことができるでしょうか)

次は、1年生の授業です。