記事一覧

1/19(金)相手のことを考えた言葉や行動をするには、どうすればいいのか? ~ 3年生の道徳授業から

ファイル 762-1.jpgファイル 762-2.jpg

 今日は、人権に関わる道徳授業が、3年生でもありました。

◆【3年生】3時間目 資料「もやもや書き」
 テーマは『相手のことを考えた言葉や行動をするには、どうすればいいのか』

◎子供たちのもやもや
 嫌な思いをしたことを書くノート(もやもやノート)をもとに、人間関係をよりよいものにしていこうとするクラスのお話です。
「おまえなんか貧乏で汚いから、誘拐なんかされないよ」「算数の成績が学級で一番悪いな」「おまえんちは貧乏なんだからソロバンなんか習う必要ないよ」なんて、同級生から言われて【もやもや】した気持ちがノートには綴られています。
 そこで、学級会を開いて解決しようとしたところ、上の言葉を言った子供たちは、「そういうつもりではない」「(鼻水をふいていないから)きれいにふいてほしい」などの『いいわけ』をして、話し合いは並行線に。
 そんな中、貧乏を理由にソロバン塾不要を言われた子供が、「鼻水が出るのは小さい頃の病気にせい。お金がないから直せなかった。貧乏のどこがいけないんだ」という訴えから、学級の雰囲気が変わっていく…。
 
 話を読んだ3年生の子供たちの「もやもや」感もヒートアップします。「ひどい」「よくない」…等々
 でも、そのような「気持ち」だけで問題解決に向かうことが道徳の学習のねらいではありません。「気持ち」を以外の「(相手の見た目や経済上の問題)を相手に言った行為」について考えました。
 
 大人でも無意識のうちに、(つい)問題発言を言ってしまい、連日メディアでも大きく報道されるくらい根が深いです。おきまりの「そういう意図ではありませんでした」という『いいわけ』で終わるのも、今日の資料と同じです。

 今日の3年生の子供たちの「もやもや」の言葉を丹念に聞いていると、ヒントがありました。

①見聞きしたこと(貧乏・汚い・学業成績など)を本人に言うことはいけない。
②①とは関係ないことに結び付けること(誘拐されない・ソロバン不要など)はいけない。

 子供の考えを関連付け価値づけることで、普段の生活場面でも活かせる力(心のものさし)を一緒になって作り上げることが大切ではないかと考えています。
 ①②は当たり前と片付けてしまわず、さらに、自分の体験や価値観をもとに、何故そう考えるのかより深く考え合う指導をしていきたいと思います。

 これまでに5つの学年の道徳授業を紹介してきました。教科の学習と同じところ(学習課題を元に考える力、自らの体験や価値観を根拠にした対話力、友だちの考えを取り入れながら考えをまとめる力)もあり、違うところ(矛盾した考えを整理する力)もあることも改めて気付かされました。
 参観授業の中では、子供から出てきた矛盾した考えをどう生かす(まとめるではなく)のか、立ち止まった授業もありました。私は、それだけ、須田小の子供たちが次のステップ(高い思考力)の入り口に来ていると感じました。
 もう1学年の授業後、須田小の道徳授業(よりよく生きていくための思考力を高める学習)のスタイルの試案を「かたち」にしていきたいと考えています。