本日午後、須田小学校で学校保健委員会を開催しました。
学校保健委員会は、子供の健やかな成長を支えるために、様々な立場からの意見を出し合う場です。
◆子供の視力は、何故【中学年から低下しているのか】
視力検査は毎年4月に行います。ですから、正確に言えば、視力低下は2年生から始まっていることになります。委員会からは、子供の姿勢が影響しているのでは? という意見が出されました。これについて、学校薬剤師から、教室内の明るさの管理と、子供の成長(身長)に合わせた机や椅子についての指導がありました。
★冬季になり太陽光の角度が低くなり、特に午前中に窓を開けておくと、まぶしくカーテンを閉めることがあります。もちろん教室内の蛍光灯は付けます。太陽光の直接の照りつけを避けつつ、自然光を教室内に取り入れるために、カーテン丈を調節することで改善できます。さっそく策を講じます。
机と椅子は、春先の身体測定で対応していますが、子供の成長(特に3年生以降の身長の伸びの大きさ)を見ながら、よりこまめに対応していきます。
→現状は、各学期の始めの身体測定時のデータを基にした対応です。今後は、教室出入り口の壁面に、適正の机・椅子の高さが簡単に分かる表示をするなど、よりこまめな対応ができるような環境作りをします。
合わせて、保護者委員から、「家庭でのゲームなどメディアと接する際の姿勢(寝転がっている等)も原因としているのではないか」という意見もでも出ました。メディアコントロールを時間だけでなく、姿勢との関係でも家庭に広報していきます。
【参考:身長と机の高さ】http://www.tos-land.net/teaching_plan/contents/21340?print=true
◆子供の虫歯が、何故【学年が上になるにつれて増えるのか】
学校歯科医より、一人あたりの虫歯の本数を平均にして云々することより、より個別に見ていくことが現実的ではないかという指摘を受けました。春先の歯科検診で、一人で何本も虫歯をもっている子供もいれば全くない子供もいる【虫歯の二極化】ので、生活習慣との関連で見た方がよいと思いました。さらに委員からは、子供の食べるお菓子の中には「グミ」のような粘着性の高いものがあり、丁寧に磨かないと虫歯リスクがより高くなるという点も指導されました。
★会議中には話題になりませんでしたが、このことと関連して、これまで2回実施した「元気アップ週間」(早寝早起き、メディア時間、朝食、歯磨き調べ)のデータを分析したところ、興味深いことが浮かび上がりました。会議終了後、学校医からも助言を頂いたことですが、以下のようなことです。
夜歯磨きをしている子供は、眠る時刻を守っている傾向が見られる。
十分な就寝時間を確保することが、早起き・朝食、心と体の安定、学習への集中力と関連していることは、すでに言われていることです。しかし、今回の調査で、早寝に夜歯磨きが関係しているならば、「早く寝ろ!」ではなく「歯を磨け!」がより効果的ではないかということです。
★学校歯科医とも相談し、各家庭での家族の就寝時刻の多様化も考慮して、「寝る前に歯を磨こう!」から「9時になったら歯を磨こう!」等、一律に指導することで、丁寧な口内衛生を、就寝行動のきっかけづくりにつながる指導をしてまいります。
◆子供の体力、特に握力が、何故【全校的に低いのか】
昨年度の本会議でも話題に上り、学校医からは、握力は全ての体力(走る時にぎゅっと握る・投げる時にボールをぐっとつかむ等)にも影響するとの指摘を受けました。今年の1月から全校で「朝のグーパー体操」を始めました。全国平均に比べるとまだまだですが、昨年度比で、学年によって1.2倍から1.6倍までのばらつきはありますが、向上しています。
★今年の1月から6月初までの実質4ヶ月程度の取組の成果です。継続は力なり。朝の会などの定点実施をプログラム化して、今後も粘り強く取り組んでまいります。合わせて、持久力の向上を図るために、体育授業前に、走る時間を確保してきました。さらに、日常的に運動する環境づくりを進めます。※縄跳びの期間の延長をしました。
【参考:グーパー体操】https://www.youtube.com/watch?v=pvEuHgidCWU
★☆★☆★今後
このほか、お箸の持ち方など多数ご意見をいただきました。できるところから取り組んで行きいます。学校ホームページなどで広報していきます。
【学校保健委員会とは?】
学校保健委員会とは、健康に関する子供の課題を共有するとともに、健康づくりをさらに推進するための組織です。各学校で設置されています。
メンバーの構成は、学校(校長、養護教諭、栄養主査等)、医療関係(学校医、学校歯科医、学校薬剤師)、保護者会(育友会役員や保健体育部員)、地域関係機関(須田分館長、区長会長、須田中養護教諭)です。保健主事(須田小養護教諭)が中心となって、運営します。
この会を通じて、学校内での子供の健康面だけではなく、家庭や地域の関係機関等との連携による効果的な学校保健活動を展開することを目的にしています。