ブルゴーニュ(Bourgogne)地方
フランスの誇る大名醸地で、その偉大さはボルドーと双璧をなします。
ボルドーとブルゴーニュの大きな違いは、ボルドーは1つのクリュ(葡萄畑)が一個人または一会社の所属であるのに比べ、ブルゴーニュは1つのクリュに複数の所有者がいるのが特徴です。そのため、ブルゴーニュのワインはシャブリでもボージョレでも生産者によってまったく味が異なります。
もう一つの大きな違いは、ボルドーは主として複数の葡萄をブレンドして造られるのに対して、ブルゴーニュのワインは普通単一品種から造られる事です。
ブルゴーニュの高級ワインの格付けは、おそらく世界で最も複雑なものでしょう。

【ブルゴーニュの格付け】
ブルゴーニュには4段階のアペラシオンがあります。ラベル表示には厳しい規則があります
品質の順に
グラン クリュ (Grand Cru) 特級
畑名のみを付けます。有名なものに、ミュジニー、シャンベルタン、ロマネ等があります。
例えば、Griotte Chambertin Grand Cru (ラベル表示)
         グリオット  シャンベルタン   グラン  クリュ
        (畑名)
プルミエ クリュ (Premier(1er) Cru) 第一級
コミューン(村名)の後に畑名を付けます。いくつかのプルミエ クリュは2つ以上の畑で構成されており、この場合は村名の後にプルミエ クリュとだけ表示し、畑名は記しません。
例えば、Vosne-Romanée 1er Cru Les Chaume (ラベル表示)
      ヴォーヌ  ロマネ    プルミエ クリュ レ ショーム
        (村名)          (畑名)
コミュナルAC (村名AC)
村名を記しますが、もし1つの畑からのみできるワインなら、畑名を小文字で載せてもよいことになっています。
例えば、Meursault Les Narvaux  (ラベル表示)
          ムルソー    レ  ナルヴォー
      (村名)   (畑名) 
レジョナルAC (地域名AC)
偉大なワインを産する村でも、控えめな品質の畑があり、これらは単にブルゴーニュ(Bourgogne)とだけ称することができます。
シャブリ(Chablis)地区
ブルゴーニュの『黄金の門』とたたえられる地区です。ワインはシャルドネから造られる白ワインだけで、やや緑がかった黄金色をしたキレ味の良い辛口ワインです。
【シャブリの品質等級】
シャブリには4つの品質等級があります。
シャブリ特級銘柄 (Chablis Grand Cru)
Blanchots ・ Bourgros ・ Les Clos ・ Grenuilles ・ Les Preuses ・ Valmur ・ Vaudesir
  ブランショ       ブーグロ        レ・クロ       グルヌイユ        レ・プルーズ      ヴァルミュール   ヴォーデジール
の7ヶ所に限られます。
シャブリ1級銘柄 (Chablis Premier Cru)
Mont de Milieu ・ Montee de Tonnerre ・ Vaillon ・ Vosgros
   モンド・ミリュー          モンテ・ド・トネール         ヴァイヨン      ヴォグロ
など40ヶ所あります。
シャブリ銘柄 (Chablis)
1,2には含まれませんが、上品質のワインです。
プチ・シャブリ銘柄 (Petit-Chablis)
シャブリとしてはいちばん下位の品質です。

コート・ド・ニュイ (Côte de Nuits) 地区
すぐれた芳香をもつ世界的名声を得ている赤ワインの産地です。ロマネ・コンティ、シャンベルタン、ミュジニーなどの最もすばらしい赤ワインが生み出されています。
ワインはたいへん芳醇で優雅な中にも力強さをもっています。
コート・ド・ボーヌ (Côto de Beaune)地区
ニュイ地区が赤ワインで名声を得ているのに大して、ボーヌ地区ではモンラッシェ、ムルソー、コルトンなどの極上の白ワインの産地として有名です。
白ワインは、黄金色で長命、辛口ながら、しなやかな口当たりの逸品です。
赤ワインは、優雅でバランスのとれたものを産します。
ボージョレー (Beaujolais)地区
秋のボジョレー・ヌーヴォーで有名な地区です。白、ロゼも産しますが、人気があるのはガメイ種から造られている赤です。この地区の赤ワインは、輝くようなルビー色でフルーティな香り、フレッシュな飲み口のたいへん爽やかなものです。