ほとけさま
平成十四年十月二十一日 加茂法話会
一、本山七五〇回大遠忌にお参りをして。
諷経中に焼香させて頂くと、道元禅師様は私を見下ろしておられるような気がした。今も永平寺に道元禅師さまは生きておられるように思う。
感動と共に身の引き締まる思いに読経を続けられなくなった。
自らの日常を反省させられると共に、新たに求める気持ちが湧き上がって来た。
二、朝一番に光明蔵と言う大広間で七五〇回大遠忌の総監督をお勤めになった山田副監 院老師のお話しを拝聴させて頂いた。
そのお話の最中に何故かご老師のお気持ちがよそにうばわれている様子なので、辺りを見回すと朝の坐禅を終えられた禅師様が坐禅堂より上がって来られたのだった。
三、宮崎禅師さまのお姿に気付いた人たちは皆、自然と手を合わせるのである。真実の 人と人の出会いを感じた。
禅師さまの坐禅は悟りと修行は一つであるという証であり、私には生きた正法眼蔵、今に生きる高祖さまのように感じるのである。
四、数年前禅師さまにはじめてお会いしたとき
私は禅師さまに三度するご挨拶のお拝を緊張のあまり四回したことがあった。その折禅師さまに頭をなでていただいたことを思い出す。
積み重ねられたご縁が私の心を輝かせてくれる。
五、禅師さまの坐禅を考えると拙僧も「実践するしかない」と言う気持ちにさせられる。
「一寸坐れば一寸のほとけ」御歳百二歳の宮崎禅師さまは等身大のほとけさまである。
見附市天徳寺 中野尚之 合掌