己丑(つちのとうし)年、年頭に当たって

~恩師から教えられた愛語の実践~

平成二十一年正月二十六日 加茂法話会

一、小生の今年の年賀状

謹 賀 新 年

旧年中は格別なるご芳情を賜り厚く御礼申し上げます。

本年は五月二十一日(木)~二十三日(土)に第九回眼蔵会(坐禅を行じながら、駒澤大学教授・角田泰隆先生より、正法眼蔵・受戒の巻をご講義いただく)を計画しております。ご参加をお待ちしております。

人の善悪(さが) 聞ば我が身を 咎(とが)めばや 

人は我が身の 鏡也(なり)けり   良 寛

 自らの戒めとしていきたいと念じております。

皆様のご多幸を心よりお祈りいたしますと共に、今年も倍旧のご高配を賜りますようお願い申し上げます。

平成二十一年 元旦 東龍寺住職  渡辺 宣昭 九拝

一、昨年の賀状の小生の文句

「生きるとはつながるということ」 多くの人や自然環境との触れ合いを大切にして心豊かに過ごしていきたいと念じております。

 

一、小学校の恩師、堀川英子先生からの賀状

  “生きるとはつながるということ”を教えていただき、あたたかく、やさしくつながっていこうと心がけております。

 

一、年始回りで、田巻晴雅(ハルオ)宅での出来事

田巻氏は、平成十六年五月四日の晩、脳梗塞で倒れ、翌朝、救急車で入院。私の五級先輩。

堀川先生からの賀状

「年賀状有難うございました。『生かさせてもらっていることに感謝しております』奥深いお言葉ですね。左手で書かれたのでしょうか。あなたの真面目な性格があらわれています。田上小学校で同じ空気を吸っていた方とこうしてお会いできるのがうれしいです。」

少し書体が違う字で「あなたとお会いして生きる勇気を頂いています。」と書いてあった。

 

一、今日は、道元禅師の八〇九回目の誕生日 一二〇〇年正月二十六日生。

 □愛語といふは、衆生をみるにまづ慈愛の心をおこし、顧愛の言語をほどこすなり。

(愛語とは、あらゆるいのちにまず慈愛の心を起こし、その心がけによる言葉をかけること。)

 □愛語をこのむよりは、やうやく愛語を増長するなり。

(慈しみの言葉を好んだならば、しだいにその言葉を投げかけられるように努力していくそれが増長するなりということ。)

 □利行は一法なり、あまねく自他を利するなり。

(仏教では自と他の区別がない。他にしていることが実は自分にしていることになる。)

東龍寺住職 渡辺宣昭 合掌