平成二十年四月二十八日 加茂法話会
一、才歩地蔵様について
お釈迦様が入滅して弥勒菩薩が成道するまでの末法のあいだ、お釈迦様から衆生の救済をゆだねられた菩薩が、お地蔵様であると伝えられている。
地蔵様の大悲代受苦(他人に代わって苦しみを受けること)によって衆生の苦しみが救われると云う地蔵信仰が庶民層に広がった。
田上にもいつの時代に誰の発願か百参拾余(故木津両衛氏調査による)の地蔵様が建立されてその大半が露天に安置されている。その集落には今もその利益(りやく)や由来が伝承されている。
以前から才歩(さいかち)川の土手の祠堂に安置されていた才歩の地蔵様、霊験灼(あらたか)なりと近郊の人たちの心の拠り所になっていたが、平成十五年六月より、下手の仮祠堂に安置されている。
大衆の信仰心により、風光り水温む安心(あんじん)の地に安置されることを祈念する者であります。 東龍寺寺報二十号 江部金之輔氏寄稿より
二、地蔵様の祠堂を昔の場所に戻すべきか、今、新たに整備され公園となる仮安祠堂の近くに安置するべきか。
三、一夜賢者之偈 (大蔵経の中に一夜賢者経)
過去を追うな。
未来を願うな。
過去はすでに過ぎ去った。
未来はいまだ到っていない。
現在のことがらを
それぞれによく観察し、
ゆらぐことなく、
又、動ずることなく、
よく見きわめて実践せよ。
ただ今日
まさになすべきことを
熱心になせ。
誰か明日に
死のあることを知らん。
四、五月二十七日に地鎮祭を行う予定。
東龍寺住職 渡辺宣昭 合掌