命を惜しまず、粗末にもせず

平成十四年九月十一日 加茂法話会

 

一、焼香師をお勤めの新潟県万福寺住職・服部泰舟師の感想

 ・焼香師・・禅師様に代わって、高祖道元禅師様に報恩の誠を奉げる大導師を勤める

 ・服部師・・宗務所長を勤められた後、脳梗塞で二回倒れる。

 「体が悪いのだけれども、焼香師を勤めるために病をおして上山した。感慨と同時に、ご開山様のお助けを頂いたのだと思っています。」

 「山内の方々が親切で有り難かった。非常に感謝しています。こういうことは体を悪くして初めて気が付くことです。」

 

二、『志の到らざる事は無常を思わざるに依るなり』正法眼蔵随聞記(一ー七)

 

三、宮崎禅師、六十代の時、粟粒結核で、吐血して入院。ベットの上で、坐禅。

 

四、只管打坐(ただひたすら坐る)

  真実一路の生き方、自分の考えや生き方を曲げない芯のある生き方、一生懸命な生き方

  今、そういう人が減っているのでは。

 

五、『仏道には「命を惜しむ事なかれ。命を惜しまざる事なかれ」というなり』

正法眼蔵随聞記(一ー六)

 

六、浜までは 海女もみの着る 時雨かな   (瀧 瓢水)      

   仏門に入った瓢水にその透徹した境涯をしたって雲水が訪ねてきた。たまたま風邪をひいたというので薬を買いに出て、留守であった。噂を聞いて訪ねてきたが、命に執着があるようではたいしたことはないと見て、帰ってしまった雲水に、瓢水が贈った句。

 

七、三月より、行われてきた大遠忌法要もまもなくクライマックス。

盛夏・残暑の間、前の住職地で、ご静養された宮崎禅師様、高祖道元禅師ご正當・九月二十九日の法要を是非ともお元気でお勤めいただきたい。

                                                     東龍寺住職 渡辺宣昭 合掌