生きとし生けるもの全てに感謝を!

               平成二十二年十一月二十四日(水)               五泉市川内 永谷寺 吉原 東玄

勤労感謝の日

 十一月二十三日。「勤労をたつとび、生産を祝い、国民がたがいに感謝しあう」国民の祝日。1948(昭和二十三)年制定。その前は国の祭日で、天皇が新穀(五穀)を天神地祇に勧め、自らも食する新嘗祭という祭事の日であった影響でこの日はいまも農業関係者の祭典の色彩が濃くみられる。

 

 『働く』ことの本当の意味

 

 禅寺の修行とは 「一、作務 二、坐禅 三、看経

 

「只管打坐の坐禅」だけではない!「作務」とは仕事、労働のこと。

雑巾がけ、草むしり、落ち葉掃きなどが坐禅と同じように、または坐禅以上に尊い修行であると、強く戒められている。

 

百丈懐海禅師(中国唐代の禅僧)のエピソード

 

 「一日不作一日不食」(一日さざれば、一日らわず)

 

「働く」(日本で作られた国字)

 

 「動」にニンベンをつけて「働」としたのは日本人の知恵。

さらに、「ハタラク」という言葉は、ハタ(傍)をラク(楽、幸せ)にするということであり、「ハタをラクに」が原型。

 

 「仕事」も、一字ずつ「える」「える」と読み、文字通り「人のために働く」ことを表す。祖先は、ただ自分のために動きまわることが「働く」ことではなく、人のために尽くすことこそ、人間らしく「働く」ことだと考えてきた。

 

 自分の生活のためだけでなく、自分が愛し、親しみ、尊敬する人びとに喜ばれる働きをすることこそが自分にとっても、このうえなく大きな喜びとなる。

 

(修証義の発願利生布施、愛語、利行、同事)につながる)