お盆を無事終えて
H14.8.19 加茂法話
新津市田家 久昌寺・中野 睦宗
お盆は、ご先祖様を思い、亡き人を思う。そして「いま、ここに、生きている」事実としての自分のいのちを確認し、感謝する先人の残した大切な行持。
大本山永平寺の宮崎禅師(一九〇一〜)は、次のように教えてくださいます。
「日本国中に仏壇の無い家はほとんどないと思います。
どの家にも、みな先祖さまがおります。朝起きて顔を洗われたならば、まず第一に仏壇の前に真っすぐに坐られて、三分でも五分でも坐禅してください。
仏壇は家の中で一番大切なところに祀られています。仏壇の本尊様に向かって真っすぐに坐る。その真ん中に線香を真っすぐに立てて自分が坐る。背筋を伸ばして、左にも傾かず右にも傾かず、前にもくぐまらず後にも仰がず、身心あい違わず坐禅する。そうして、先祖様に向かって『わたくしをよく人間に生んでくれました』と、父母に対して感謝する、それでいいんです」
『人身得ること難し、仏法値ふこと希なり、今我等宿善の助くるに依りて、已に受け難き人身を受けたるのみに非ず、遇ひ難き仏法に値ひ奉れり、生死の中の善生、最勝の生なるべし』
(『修證義』「総序」)