三十二歳を迎えて      五泉市 永谷寺 吉原東玄

 

 改めて、数え切れない多くの方々に教えられ、叱咤され、慰められ、与えられ、支えられ、導かれて、ここまで生きてくることができた今日の命であります。加茂法話会という「ご縁」も本当に有難く、法句経の

 ひとの生を受くるは難く、 やがて死すべきものの、

 いま生命あるは有り難し。   (法句経 182番)

というお言葉を痛感いたします。

 

三十二年という年月で私が至った禅の境地とは

 

「過ぎたるは猶及ばざるが如し」

 

                      (孔子「論語」)

 

  智に働けば角が立つ。情に掉させば流される。

  意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい。住み

  にくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ

  越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。

                    夏目漱石「草枕」

 

 

 (訳)人間として生まれてくることは難しいことであり、

  そして又、たとえ生を受けてもいつか死ぬことが約束さ

  れているのに、今こうして生命があることは本当に有り

  難いことである。

   三十二歳になる小生が最近の新聞記事で

   感銘を受けた広告(朝日新聞内の三井物 産の企業広告)

 

 

  荻野丹雪氏 書