清水峠
(1448m)
2004年6月27日
戦国末期に上杉謙信が関東出兵にも利用したロマン漂う清水峠に梅雨の合間の貴重な晴れ間を貰い訪ねる。 謙信尾根から登り帰りは井坪坂コースを下るコースであるがあまり登山者にも逢わず静かな登山ができた。 |
コースとタイム | 謙信尾根登山口〜(150)〜清水峠〜井坪坂コース〜(180)〜井坪坂コース登山口 |
タイム | 登り 2時間30分 下り 3時間 |
エイホ!、エイホ!、エイホ、!エイホ!
の掛け声と共に2つの籠が国道291号線を清水部落から
清水峠に向っている。籠には長岡藩のおてんばなミノ姫とお目付け役のヒデ爺
が乗っていた。おてんばお姫様は上杉謙信の曾曾曾曾曾孫にあたりどうしても
おじいさんの登った清水峠を歩いてみたくお忍びで出かけたのである。
姫 「爺、お日様が顔を出してきたよ」 爺 「そうでござりますね、姫の行いがよいからでしょう」 姫 「ところで、これ本当に国道なのか このみちこわ〜〜〜い」 |
爺 「あれ、他の籠が数台置いてあります。この先はいけないらしいです」 姫 「苦しゅうない、許す、進め」 爺 「かしこまりました。」 |
姫 「爺なかなか素敵な国道だね川が流れているよ」 爺 「姫、上小根沢と申します」 姫 「駐籠場が見えてきたよ」 |
駐籠場にはもう数籠が置いてあり
人足たちは山菜撮りなどに出かけたのか不在だった。
姫たちもここで籠を降り、人足さんに励まされ歩きだした。
歩いて直ぐに分岐点に着く。
爺 「姫、ここが分岐点でござる。右がこれからまいります謙信尾根で左が井坪坂コースでござる。 帰りは左から戻ってきます。」 姫 「あい、解ったよ」 |
姫 「爺、橋が水没しているよ。水量が多くてどこを渡ればいいの」 爺 「おまかせあれ、対岸の目印が 登山道であり少し上のほうから 渡りましょう」 |
無事浅い所を石ずたいに飛び対岸に渡った姫と爺であった。。
これから、尾根に出るまで九十九折りの急登が待っている。
姫 「爺、なんじゃ、この急登は。こんな急登がいつまで続くの」 爺 「姫、ここがこのコースで一番の 急登でござる。時間にして 40分ほど登ります」 姫 「老ぶなさん、ほんとに 曾〜〜〜〜おじいさんもこの 急登を登ったの馬や 家来を連れて????」 |
その時かすかに風がそよぎ老ぶなの若葉が揺れた。
そして、ゆっくり、ゆっくり、と姫と爺は登っていった。
姫 「爺、少し休憩しよう、あそこにちょうど良い広場があるぞ。」 爺 「ここまでくればもう一安心でござる。 ではすこし休憩いたしましょう」 |
ぶなの大木広場で休憩した姫と爺は15分ほどで急登を終え
ようやく、1番目の送電塔に到着した。
姫 「爺、着いたよ。 これで急登は本当に終わりなの。」 爺 「はい、このような急登 もうございません」 姫 「あーよかった(^・^)」 |
先ほどまでの急登に変わり心地よい道が続く。
姫 「爺、気持ちいいね。お日様を浴びて ぶなさんが輝いているよ。 爺 「気持ちいいですね。ところで、姫、 上ばかり見ないで足元も見てください。 姫 「なにか、古銭でも落ちているのか爺」 爺 「いえ、お花が咲いております」 姫 「何処に咲いているのじゃ。 花らしきものはないじゃないの」 爺 「その白い白魚のようなものが ギンリョウソウというお花でござる。」 |
姫 「爺、爺の好きそうな老木があったよ」 爺 「なかなかいいですね」 姫 「名前をつけてやろう。からすぶな、なんちゃって(^・^)」 |
その後も姫と爺はロマン街道を進み5番目の送電塔に着く。
姫 「爺、下界はまだ霧がたなびいており天気が良くないみたい。あの山が大源太山か怖そうな山だね」 爺 「姫、大源太山は見かけによらず良い山でござる。」 |
5番目の送電塔を過ぎ10分ほどで6番目の送電塔になる
姫 「爺、見えてきたよ。あと少しだね。 あの赤い建物は」 爺 「あの建物は、越後から江戸に電気を送っている送電線の保守点検をする人たちの詰め所でござる。」 |
姫 「爺、いいね、快適だね。 両側にはお花が咲いているし金魚もいるし」 爺 「さよう、あの金魚はイワハゼという金魚でござる(^・^)」 |
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姫 「爺、この黄色い花は」 爺 「はい、キバナノアヤノ だと思います」 |
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姫 「爺、また、あの山を登るの、(^_^)」 爺 「姫、ご安心あれ、左の道でござる」 姫 「可愛いピンクの花が咲いているよ」 爺 「ミヤマクルマバナでござる」 |
姫 「少しお疲れ気味のコバイケソウが咲いているよ」 爺 「失礼な事を立派な貴婦人ではありませんか」 姫 「ところで水場が見えてきたね |
爺 「御待ちください。爺が先に毒見を致します」 姫 「爺、ずるいぞ。毒見と言ってそんなにおいしそうに飲んでる」 爺 「解りましたか(^_^.)」 (クリックすると水音が聞けます) |
爺 「姫、左の水平道が帰りに歩く井坪コースです。 姫 「楽チンでいいな」 |
爺 「姫、お疲れ様でした。 清水峠に到着です。ゆっくり休んで昔旅した曾おじいさんや 旅人の心境に 触れてみましょう。」 |
姫と爺は権現神社の前で夢の一時を過ごす。
谷川岳はあいにく雲の中で新潟県側のみ青空が望まれた。
姫 「爺、起きてよ、 なにか人の声がしだしたよ」 爺 「やっぱり来ましたか。 元、お殿様、 元、お姫様の一行が。 姫、帰りの支度をしましょう」 |
爺 「おっと、姫、ニッコウキスゲのつぼみを発見しました。来週あたりはこの笹原にニッコウキスゲが咲き誇っているかもしれませんね。」 |
姫 「爺、天気が悪くなってきたよ。 元お姫様、とお殿様達が到着したみたい、景色が見えないので酒宴を開くようだね」 爺 「天気が心配です下山しましょう」 |
爺 「姫、少し学習していきましょう これから歩く井坪坂コースについて何か書いてあります」 姫 「兎平に茶屋があったと書いてあるよ 楽しみだねどんなところかな」 |
このコースの予習をしっかりとやり姫と爺は暫くは快適な水平道を歩く。
道にはお花などが咲いており素敵な自然歩道である。
姫 「爺、いろんなお花が咲いているね。爺の大好きなシラネアオイも咲いているよ」 爺 「姫はどのお花が 好きですか」 姫 「私みたいに可憐なリンドウが好きだな(~o~)」 |
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ハクサンチドリ | タテヤマリンドウ | |
シラネアオイ | イワウチワ |
姫 「爺、見て見て 何か動いているよ」 爺 「姫、おたまじゃくしでござる」 こんな沢のところに卵を産む なんてみんな元気に蛙に なれるか心配ですね」 |
お花を見たりおたまじゃくしを見たりして
姫と爺は水平道を30分程歩いていった。
爺 「姫、これからが井坪坂でござる」 姫 「爺、あいにく天気は よくないけれど こんな幻想的なぶなの原生林 もまたいとおかしだね |
姫
「爺の好きなぶなが多いね。
右のブナなんか大好きでしょ」
爺
「いいですね。最高ですね。
なんともいえませんね、この曲線美は。」
九十九曲りの井坪坂の曲がり角にぶなの
古木が道しるべのように聳えている。
ブナの原生林林に覆われた登山道には
ところどころに沢があり水場がある。
姫
「味見は姫がする。おいしいね。
先人の人達は
もっとおいし水を飲んでいたのかな
原付籠もなかった頃だしね
」
姫 「爺、大きな沢が流れている音がするよ」 爺 「そろそろ、井坪坂も終わりですね。このおおきなぶなが目印です」 |
姫 「先に渡るよ」 と言って姫は渡ってしまった。 爺 「姫、少し休憩しましょう」 |
本谷の河原で休憩した姫と爺は昔、茶屋があった兎平に向った。
姫 「爺、これはなんだろろうね。 すてきな沢があるよ。なにか石垣が組まれているよ。暑い夏の時期には泳ぎたくなるね。」 爺 「いいですね、いい感じですね」 |
姫 「爺、長椅子が置いてあるよ。ここが兎平だね」 爺 「そうですね。昔は3軒の宿泊茶屋が あってたいそう賑わったらしいです」 |
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兎平を過ぎこのコースで一番大きな沢
檜倉沢にでる。
川幅が50〜60m位ある。
姫
「爺、何処をどう渡ればいいの」
爺
「姫、よ〜〜く見てみましょう。河原の処々に
小枝が刺してあり何か赤いテープのようなものが棒に付いております
あれを目安に渡ればよいのです。」
姫
「それにしても広いね、
大雨の後なんかどうなるんだろうね、
おお怖(^<^)」
そんな思いをしながら無事対岸に渡った姫と爺であった。
姫 「素敵なタカネニガナが 咲いているよ、 はい、ポーズ」 |
檜倉沢をからの帰り道にも姫と爺を喜ばす木々がある
姫 爺、あの大木はなんだ。今日出逢った 古木や大木の中で一番太い幹ではないかすこし遠くにあるので太さが実感できないのが残念だね。 爺 「そうですね、古代桂でしょうか ずっと古代の時代から旅人を 見て来たのでしょう」 |
姫 「爺、このぶな何に見える」 爺 「万歳ぶなでしょうか」 姫 「爺もう一ひねりして姫は 馬顔ぶななんてどうかな」 |
まもなく、井坪坂コースも終わりに近くなり2回ほど河原に
でたりしてして無事今朝歩き出した謙信尾根との分岐点に
戻ってきた姫と爺であった。
爺
「お疲れ様でした。いかかでしたか」
姫
「よかったね、最高だね、曾〜〜〜〜〜謙信おじいさんの
歩いた道もありこのコースはすてきなロマン街道だったね」
きっと、紅葉の時期のぶなの原生林もすてきなだろうね」
姫
「爺、これからどうするの、
民の人たちが大好きな
温泉に入ってみたいな」
爺
「解りました、では混浴などいかがでしょう」
姫
「スケベ爺爺」
そして姫と爺は待たせておいた籠に
載って温泉に向っていきましたとさ。
めでたしめでたし。