くすりの勉強会
日時 | 平成16年11月20日(土) | 午後1時から3時半まで |
会場 | 信濃川会館 | (025−231−4151) |
今回が初めての試みであり事前に参加希望者の会員宛にアンケ−ト用紙が配布され集計した内容に基づいての勉強会である。アンケ−トの内容は下記の3点であった。 @いままでのくすりの服用で障害がありましたか。 Aくすりの服用で不安に思ったことがありますか。 B疑問なこと、知っておきたい事などありますか。 尚、アンケ−ト発送数は52通で回答総数35通であった。 |
勉強会の内容 |
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@ | くすりに関する総論的な話 |
県立がんセンタ−新潟病院 佐藤 元昭 薬剤部長 |
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A | アンケ−ト集計に対する回答ならびくすりの話 |
県立がんセンタ−新潟病院 湯浅 裕子 薬剤副部長 |
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B | アンケ−ト集計に対する回答ならび食事・栄養の話 県立がんセンタ−新潟病院 山岸 紀美子 栄養課長 |
@くすりに関する総論的な話 |
最初に佐藤元昭薬剤部長からくすりに関する話があり医薬の分業化についてのはなしがある。いま何処の病院でも院外薬局がメインであるがこれは患者さんの病院での待ち時間の短縮や医療の充実が最大の利点である(金銭的には少し割高)がんセンタ−でも薬剤師の主な仕事は入院患者のくすり手配や抗がん剤の調整など増えておりこれが主な業務になっている。 そして医療の高度化・専門化に伴い、いままで薬剤師になるには4年生の薬科大学を卒業した3月に国家試験に合格すればよかったけれど平成18年4月からの入学生は大学卒業後1年間各医療機関などで研修し6年目で始めて国家試験を受験する資格が与えられるとの事。 また、くすりとは反対から読むとリスクと読めるがくすりにはかならず副作用がある訳で新薬が厚生省から認定をうけるには早くて6年間の検査デ−タ−が必要である。 |
次にくすりの種類別による患部への効き方の違いについて話された。
最初は一般的な内服薬である飲み薬からでまず小腸で吸収され肝臓、血中、全身に広がり肝臓に戻って尿として排泄される。 注射液は直接血液に入っていくので内服薬の1/4の量で内服薬とおなじ効果がえられる。座薬も肛門、直腸、と進んで患部、に入っていく為効果が早い また、くすりによっては、肝臓の分解酵素(解毒など)などによって化学変化をおこし効果がなくなってしまうくすりもある。たとえばニトログリセリンなどは は経口からでは肝臓で化学変化を起こし効果がなくなるので舌の粘膜から投与する。 |
次に体の活動を維持するために体の細胞はどのようなはたらきをしているか
人間の細胞には本来くすりと同じ作用をして体の異常を防御したり活動を維持する働きがある。 たとえば、「神経伝達物質」のノルアドレナリンなどは神経を興奮させる働きがあり、この一部が変化した物に良く知られているアドレナリンがある。 また、「ホルモン」の副腎皮質ホルモンのように急激なストレス(寒さ、炎症、血圧の異常)時に心臓や脳などの臓器を保護する働きがある。 「その他の化学物質」良く耳にするヒスタミンは体にアレルギ-反応が起きると体内に過剰放出されかゆみ、鼻水の原因となる。このヒスタミンの作用を抑える薬を「抗ヒスタミン剤」という。 |
薬が作用する仕組みについて
拮抗薬(アンタゴニスト)のような先程のヒスタミン剤がそれであり過剰なホルモンなどの働きを遮断して細胞の反応を起こさないようにする薬である。 その他にも、チャンネルを狭くしてイオンの細胞内流入を妨害する薬がある。すなわち体内に何らかの現象症状が過剰に起こっている時は拮抗薬を使用してその症状を和らげる。良く知られているカルシュウム拮抗剤は血管を縮める作用があり血圧を下げる薬として使用されている。 作用薬(アゴニスト)とは拮抗剤とは逆に体内の細胞と結合して細胞反応を起こさせる薬でありホルモン剤などが良く知られている。医療現場では病気の症状に対し作用薬を投与しその副作用が出たときや副作用を防止するために拮抗薬を投与しながら治療に当たっている。 |
最後に薬の効き目を高める方法についての話があり @、医師とよく話し合って自分にあった薬を処方してもらう。 A、指示どうりに飲んでもらう。 B、アルコールと一緒に飲まない。 C、他人に与えない。 D、薬の添付書はよく読んで副作用などの知識などを知る。 E、古い薬は捨てる。 |
以上が佐藤薬剤部長さんの講演内容である。 常日頃あまり聞きなれない用語や単語があり新鮮かつ参考になった話が多かったけれど理解しきれない箇所もあり勉強不足を痛感した。 |
Aくすりに関する疑問や悩みの回答 ☆現在服用している薬の種類 |
アンケ−トの中で今服用中の薬の種類はの問いに対しての回答である。良く見てみると胃がんにより胃の機能低下もしくは小腸の働きを補助する消化剤や整腸剤は理解できるがなぜ、降圧剤が多いのか、また現代病であるアレルギ−のくすりも多く服用されている結果にはいささか驚いている。降圧剤即ち血圧を下げる薬だがこのアンケ-トの対象年齢層は参加者を見ると熟年層が多く納得できる。しかしこの年齢層はアレルギ−は少ないと思っていたがこれも、胃を切除してからの免疫力の低下が要因なのか。 |
効能 | くすりの名前 | 品種 |
抗がん剤 | TS-1(胃がん)、カソデックス(前立腺がん) | 2 |
消化剤 | ベリチュウム、 | 1 |
整腸剤 | ラックビ− | 1 |
下剤 | プルセニド(センノサイド錠)、アロ−ゼン、ラキソベロン | 3 |
便秘薬 | 酸化マグネシュウム、ガナトン | 2 |
降圧剤 | ミカルディス、ペルジビンLA、バソメット錠、エ−スコ−ル、レニベ−ス、 | 5 |
アレルギ− | アレナピオン錠、アレジオン、ポララミン錠、セレスタミン | 4 |
痛風 | ウタゲンU、キランガ錠 | 2 |
貧血 | フェロミア錠 | 1 |
逆流 | フォイパン錠、 | 1 |
胸焼け | ガスモチン | 1 |
睡眠薬 | ハルシオン、レスミット | 2 |
血流促進剤 | カルナクリン錠 | 1 |
合計 | - | 26 |
くすりに関する疑問や悩み |
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上記のような質問内容と質問総数であった。すべての質問内容に回答していると時間が足りないので抜粋し回答をした。 |
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