もうあれから2ヶ月が過ぎようとしている。テレビに出させてもらうということは私は初めてだったので(会社としては何回かある)結構緊張するのかと思っていたけど、テレビ番組を言えどもモノを作るということにおいては同じ事。モノ作りの現場というのは活気があっていい。特に緊張もせず、無事撮影終了、放送となる。いやはやテレビ上の画面で自分を見るのは結構恥ずかしいモノだ。
「彫刻やっている姿を撮らせてください」ちょうどこの時は「にいがた冬食の陣」へ出展するトキが完成したばかりだった。まあ、そこはソレもう一つくらい取材用に作って見ようと思った。そこで作ったのがコレ。
ただ今、坪源でプッシュのキャラクターである。この剥製はデコイをはじめたばかりの頃、知り合いからもらったモノらしい。ところがその後の保管がずさんだったせいもあり、私がコレを奥の方から発見したときには羽根もあらかたとれ、ボロボロのホコリまみれだった。とても修理できない。じゃ、コレを木で作ろうと思い立ち製作開始。テレビ取材当日までに何となく荒削りだけは終わらせていた。ホラ、せっかくテレビに映るのに、なに作っているかわからないようじゃカッコわるいでしょう。
無事彫刻風景を撮ってもらった。NHK新潟で放送された番組内容はこんな感じでした。あはははは。なんかエライまん丸なお顔していますね、私は。実物はこんなに丸くありません、ホラ、テレビ画面て顔が大きめに映るでしょう(ウソ、本当はこの顔そのまんま)放送されたのはNHKで相撲中継が終わった後でした。たまたまこの日は貴ノ花最後の場所。途中休場後、進退をかけて再出場した日だったので視聴率は抜群だったようです。おかげさまでかなりの知り合いから「見ましたよ」と声を掛けていただきました。ありがとう貴ノ花...
さて取材が終わったからと言って作りかけの作品を放り出すのは自分のポリシーに反する。取材が終わった後もふくろうは作り続け、数日後完成した。
完成したふくろう。後ろに見えるふくろうはちょっと前につくった物。あのころは「岡本太郎」にかぶれていたので、何となく太陽の塔っぽい?
また取材依頼が来た。今度は新潟総合テレビ。そしてまた「彫刻している仕事風景を是非...」さてと困った。こんな事ならあのふくろうをあわてて完成させるのではなかった。どうしよう...と後ろ向きに悩むのは自分のポリシーに反する。
もう一体作る。何を作ったかといえば...カラス。そう、あの町の嫌われ者「カラス」だ。まあまあそんなにみんな嫌わないで。よく観察すると結構面白い鳥ですよ(飼うには向かないと思うが)カラスの濡れ羽色とはよくいったもので、とても綺麗な羽根をしている。結構面白い行動をする。風の強い日の凧遊び(風に向かって羽根を広げて空中停止する。羽ばたかない。主に大型の鳥がやる)などお得意。以前変なカラスがうちの薪ストーブの煙突の出口に二羽とまり、気持ちよさそうに煙突の煙を吸っていた...カラスのヘビースモーカー?(笑)一説には体内の寄生虫をそれでやっつけているのじゃないかとのこと。ほんとうだろうか?
話がそれた。そんなわけで作り始めたカラスだった。とりあえずこの前トキを作った時に余った羽根(本当は間違えて左の羽根を二枚つくった...とほほ)を流用して、キャラクターぽく「威張ったカラス」を作った。コレも製作風景をテレビ取材で撮ってもらったのだったが、実際にはアナウンサーと一緒にデコイの絵付けをやっているシーンの方が長かったりして、ちょっと残念。
カラスの彫刻もまたポリシーに反しないように取材後数日かけてきっちり完成させた。なかなか会心の出来と自分では思っていたのだが...
「ところでなんで羽根が一枚しかないんだ」社長のセリフ「一枚って...よく見てよ、一枚は広げているけど、もう一枚は閉じているんだよ」「ふーん」「変かね」「...いや、別に」いかにも変だとばかり言いたげな社長であった。そうか、そんなに変か。よしわかった。ここで放り投げては自分のポリシー(もうポリシーはいいよ)に反する。ナゼ片方の羽根だけあげているのかきっちり説明が付くような作品に仕上げてやる。そこで以前から構想を温めていた作品の制作へとなだれ込んでいったのであった....(この話、いずれ続く)
古代ローマの詩人の言葉...じゃなくて、いま私が思いついた言葉。